都立中高一貫校の適性検査と私立中学校の教科型試験は、問題や解答方法の傾向に違いがあります。
全体的な特徴については以前説明した通りです。
こちらをどうぞ→適性検査(都立中学受検)と教科型試験(私立中学受験)の勉強法はなぜ違うのか?
ここからは、さらに詳しく教科別に説明したいと思います。
今回は国語です。
この記事では国語分野での適性検査と教科型試験の違いを説明します。
読解力に加えて、想像力や語彙力や知識が試される教科型試験
学校にもよりますが、教科型試験では、文章が与えられ、後の5~10個ほどの問いに答えるものが多いです。
文章上では、漢字がカタカナに変わっていたり、線が引かれていたり、空欄があったり、問いに誘導される場所が散りばめられています。
問いは、カタカナになった部分を漢字に直す漢字の書き取り、空欄に入る接続詞を考える問題、線が引かれた単語の同義語や対義語を答える問題、線部の品詞の使い方を答える問題、「これ」などの指示語が何を示すのかを答える問題、傍線が引かれた箇所の登場人物の気持ちを答える問題…などなどです。
そのような文章2,3文で試験は構成されますが、文章の種類は説明文、物語文、詩、エッセイ…など様々です。
解くには読解力だけでなく、漢字の読み書き、対義語やことわざや慣用句、品詞の種類など語彙力や文法の知識も必要です。
また、文学史の知識が必要な問題もあります。
詩や俳句や短歌なども出題されるため、比喩を読みとる想像力も必要で、「対句」や「倒置法」などの技法に関する語句も覚えていなければなりません。
読解力に加えて、作文力が試される適性検査
それに比べて、適性検査の国語分野( 適性検査Ⅰ) では、文章を読みとれる程度の漢字力や語彙の知識は必要ですが、 特別に暗記しなくてはならないような知識は必要ありません。
代わりといってはなんですが、作文が出題されます。
都立の適性検査の共同作成問題では、例年、2つの文章(2000程度×2)があり、その後の問いは少なく、2~4問程度です。
初めの1~3問は読解力を試すもので傍線部を説明するなど、20~100字程度の短文で答える問題が多く出題されます。
そして、最後の1問が400字程度の作文です。原稿用紙1枚程度ですね。
この作文は完全に自由でなく、さまざまな条件があります。そして、その条件は最近増えてきている傾向のように感じます。
例えば、2020年度の適性検査Ⅰでは、
3個の段落に分けて書き、1段落目では○○について、2段落目では○○について、3段落目であなたは○○のときどのようにするかを書け、
という指定がありました。(○○の部分は与えられます)
ですので、正直、あまり自由度は高くなく、2段落目までは 読解力を試すような、解答が存在するような作文です。
ただし、やはり作文なので、全体の流れも大切だと思うので、短文で答えるのとは少し違う文章構築力も必要です。
また、頭の中で構成して短時間で一気に書くといった行為は行ったことがないと難しく、作文慣れしておくことが必須です。
都立以外の公立中高一貫校では自由作文が出る学校もあるので、「あなたの座右の銘は?」「あなたが小学校で一番頑張ったことをテーマに作文して下さい」という問題が全国の公立中高一貫校の問題集では載っていますが、都立の出題傾向を考えるとこのような問題は出ないと思います。
おすすめは進研ゼミ中学受験講座+Z会公立中高一貫校作文or問題集(作文)
小学校での学びは、1つの文章をクラスの生徒全員で深く読み解いていくことが中心だと思います。
1つの文章を何分割かして、何時間もかけて学びます。
そこには、自分の解釈を人に説明したり、発表する力を鍛え、友達の感じ取ったことをしっかり聞き取って、自分の考えとの共通点を見つけたり、異なる解釈に理解を示したり異議を唱えたりすることなど、非常に多くの学びがあります。
けれども、それだけでは適性検査の対策にはなりません。
適性検査では、初めて読む文章について、瞬時に理解し、自分の言葉を組み立てる、ということが必要だからです。
①多くの文章を読んで読み取りに慣れること
②短時間で言いたいことをまとめることや文章を書くことに慣れること
が大切です。
①のために、 進研ゼミ中学受験講座はおすすめです。
教科型試験でも読解力を鍛えるのは同じです。そして何より、サンプル数が多く、たくさんの文章に触れることができます。
大人が子供に読みとってもらいたい文章というのは、ある程度傾向があります。
友達を思いやる気持ちや傷つけた辛さなどの物語、人の言葉や行動によって気付きや成長を与えられる物語、環境問題に関する説明文、物の見方に関するエッセイ…などです。
教科型試験ではこのような題材の文章を大量に読み、キーとなる部分の読み取りについて細かく問いが与えられるため、出題方式は違っても読解力を付けるにはとても良い教材です。文法や語彙の部分は省いて勉強しても良いですね。
ご興味がある方は、以下のリンク内の「中学受験対策」から資料請求、講座申し込みが可能です。
②のためには、作文を実際にたくさん書くことが最も良いでしょう。
ただ書いても、なかなか添削したりアドバイスすることは難しいので、Z会の「公立中高一貫校作文6年生」を利用するのがおすすめです。
1ヶ月の学習時間の目安が2時間40分(2020年度のZ会パンフレットより)ということで週末に40分ほど取り組めばよいという気軽さも良いので、進研ゼミとの両立も無理がありません。
原稿用紙の使い方(段落の始めは1マス落とすなど)をまとめた冊子ももらえるので、取り組みやすいです。
Z会の公式ホームページのリンクを張っておきます。具体的な内容についてはこちらのリンク先の「作文(5・6年生)」を確認してみてください。
資料請求用のリンクも張っておきます。ご興味ある方は下記リンクから申し込みしてください。
※資料請求するだけでもらえる「おためし教材」もあります。
そのせいか、小6の10月の時点では時間内に半分も書けないことが多かったのですが、1月には書き終わるようになっていました。
何回も練習することで、自分なりに書きやすい書き方のコツがわかってくるのだと思います。
我が家が使った作文の問題集はこちらです。
↑実際使用したのは2021年度版です。
作文についてはもう少し詳しい勉強法を別記事にまとめました。こちらもご覧ください!→「作文が苦手でも大丈夫!4か月で合格点に届いた!都立共通適性検査Ⅰ対策」
まとめ
以上、国語分野について教科型試験と適性検査の違いや対策についてまとめてみました。
最後までお読みいただきありがとうございました。少しでもご参考になれば嬉しいです。
もしよろしければ他の教科の記事もご覧ください。
コメント