都立中高一貫校の適性検査では、400字程度の文で答える問題が毎年出題されています。
作文が苦手な子どもにとって400字を書くという作業はとても大変なものです。
息子は作文が大の苦手でした。それなのに、小学校6年生の10月まで真剣に取り組んでいなかった作文対策…
慌てて残り4か月でどうにかしようと我が家が立てた対策はこちらです。
この対策を立てた背景はこちらの記事をどうぞ。→「作文が苦手でも大丈夫!4か月で合格点に届いた!都立共通適性検査Ⅰ対策」
この記事では、この中から、我が家が行った対策について詳しくご紹介します。少しでも参考になれば幸いです。
書きやすい流れは?
何から書いていいのかわからない!という子には流れが頭に入っているだけで、書き出すのがずいぶん楽になります。
そう考えて、まずはひな型を作ることにしました。
参考として私が作ったひな型がどのようなものなのかをお伝えしておきます。
都立共同作成問題は文章1と2の2つの文を読んで答えるという問題が多いので、それに対するひな型です。
基本は3段落構成です。(段落数に指定がある場合も3段落が多いです)
段落 | 内容 | 詳細 |
---|---|---|
①1段落目 | それぞれの文章の要旨のまとめ | 「『問題のテーマ』について、文章1からは○○○、文章2からは○○○が読みとれます。」 (前問で問われている場合は簡略化する。) |
②2段落目 | 自分の意見と根拠(エピソードを根拠として利用) | 「それに対し、自分は○○と思います。」 →文章1、2の内容に同意したり、言い換えたり、「中でも特に○○が大事」などと1つに注目したり、補足する内容を書くのが書きやすい。 「なぜなら、○○(自分のエピソードを紹介して)のようなことがあったからです。」 →1段落のようにしてうまくいった例 or 1段落のようにせずにうまくいかなかった例 「以上より、○○(問いをそのまま引用)は○○です。」 |
③3段落目 | 今後の抱負 | 「これを踏まえて、○○を意識して有意義な中学校生活(具体的にクラス・部活・委員会などと書いてもよい)を送りたいです。」 →前向きに |
要旨をまとめる→根拠となるようなエピソードを挙げ、問われたことに答える→中学での生活への意気込みを伝える
という流れです。
最も大切なことは、問われていることに対し、はっきりと確実に答えることだと私は考えています。これが曖昧になってしまうと文章がいくら上手でも問いに答えているとは言えなくなるからです。
そのため、②では、多少無理やりでも問いをそのまま引用させることにしました。
「あなたにとって、読書とはどのような体験ですか?」という問いだとしたら、「ぼくにとって読書とは○○な体験です。」と答えます。
文章としては稚拙な印象も与えてしまいそうですが、これで確実に答えたということは採点者に伝わると思います。
エピソードを準備しておく
近年ではあまり出題されていないようですが、自分のエピソードや実際に見聞きしたことを入れることが条件として提示されている過去問がしばしばありました。
息子は、このエピソードが思い付かず書けないことが多かったので、事前にいくつか用意しておくことにしました。
当然、実際本番でどのようなテーマが出題されるのかはわからないので、ある程度山を張って用意しました。
私は以下の3つの点を意識して、息子と2人で話し合いながら、適したものを選びました。
汎用性が高いもの | いろいろなテーマに対応できそうなエピソードが理想です。 |
本人が書きやすいもの | 嘘や恥ずかしいこと、心にもないことなど、本人が書きにくいものは避けます。 |
あまりネガティブではないもの | いくら失敗例としてのエピソードでも、自分勝手過ぎたり、やる気がなかったエピソードなど、人格的に悪い印象を与えるものは避けます。 |
具体的に考えたエピソードは以下です。
エピソード | 対応するテーマ |
---|---|
自分とは違う意見や性格の人などと向き合ったエピソード | 話し合いの大切さ・他人との交流・自分の意見を伝える・挫折を感じたこと・成長するためには何が必要か…など |
印象に残った言葉や好きな言葉と言った人とその背景を具体的に2つくらい | 好きな言葉や座右の銘・尊敬する人・それぞれの言葉に関係するテーマ…など |
現代の便利な世の中で不便なものを使ってうまくいったエピソード | 常識を疑う・自分の頭で考える・遠回りから学んだこと・探求する心…など |
公共ルールや既存の仕組みで疑問や不満に感じることとそのルールを変えるための具体的な方法 | 問題意識をもつ・時代の変化への意識・人を動かす力…など |
上記のエピソード5つくらいを用意して過去問を解くことで、だんだんとエピソードを入れることに慣れてくると思います。
息子が実際と解いているときに使いやすそうだったものは
- 音楽発表会でクラスの意見がまとまらず分裂していたが、みんなが素直に意見を言い話し合ったことで相手の意見の良い点に気付き、成功した例
- ごみ処理場で働いていた方が言った「人のために働きたい」という言葉
- 地動説が信じられていた時代の話
です。
エピソードは、詳細を語るには字数が足りないので、それほど深く掘り下げる必要はありません。ですので、1つのエピソードについてそれほど語れなくても大丈夫です。
入れる場合は分かりやすく短くまとめ、前後とのつながり(結論の根拠になっているかなど)を考えて入れなければため、コツが必要です。
コツというより、慣れです。とにかく書いて慣れるのが一番です。
とにかく書いて書いて書きまくる
本番で書き終えるために一番大事なことは書き慣れることです。
うまい人の文章を読んだり、書き方を頭で理解したりすることと、自分で書くことはまったく違います。
下手でもなんでもいいので、とにかくたくさん書くことが重要だと私は思います。
我が家が使った問題集は3つです。
この中から、直近の志望校の過去問以外のものを解きました。(志望校の過去問は最後に通して解けるように残しておきました)
・「2021年受検用 中学入試作文レッスン」
とにかく始めようと本屋さんで無計画に買った一冊です。
都立中高一貫校を目指す方のための本だけではないので、作文に慣れるためには良いですが、都立に焦点を絞るなら下の2冊の方がおすすめです。
・「作文力で合格!」
都立中高一貫校の類似問題や過去問ばかりが載っています。こちらは続編「作文力で合格!2」が出版されています。
2014年以前の過去問で構成されているため、他の問題集と重複しないで良いという点もあります。
もっとたくさん書きたい場合は、「作文力で合格!2」もおそらく良本です。
・「栄冠2021年度受検用 公立中高一貫校適性検査問題集」
作文のために買ったわけではないですが、作文についても都立中高一貫校の類似問題を探して解きました。
ちなみに、2021年度版から我が家が選んだ学校は下表のものです。
文字数が400字程度ではないものや自由作文の形式のものは、都立の形式に変更して解かせました。文章を読んで1つのテーマに答える作業をしたかったので、制限時間や形式が異なっていても作文の練習には使うことができると思います。
学校 | 問題 |
---|---|
私立白梅学園清修中学校 | 適性検査型Ⅰ |
私立大妻多摩中学校 | 読解表現 |
秋田県共通 | 作文 |
群馬県中央中等教育学校 | 適性検査Ⅱ |
東京都立桜修館中学教育学校 | 適性検査Ⅰ |
静岡県立浜松西高等学校中等部 | 作文問題 |
福井県立高志中学校 | 適性検査Ⅰ2⃣ |
広島県立広島叡智学園中学校 | 適性検査B |
広島県立三次中学校 | 適性検査23⃣ |
宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校附属中学校 | 作文 |
宮崎県立宮崎西高等学校附属中学校 | 作文 |
まとめ
以上、この記事では我が家が行った都立中高一貫校の適性検査Ⅰの作文対策について詳しく紹介しました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。少しでも塾なしで都立中高一貫校の受検を考えている方のお役に立てたら嬉しいです。
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