以前の記事で、進研ゼミ中学受験講座を完璧に学習するのはとても大変なので、負担を大きく感じる場合は暗記の部分を省くのがおすすめ、とお話しました。詳細は過去記事をご覧ください。→進研ゼミ中学受験講座は全部やらなきゃダメ?
息子も暗記はほとんどしませんでした。
この記事では、どのように講座を進めていったらいいのか、暗記を省いて行った具体的な学習法を紹介します。
基本方針
適性検査対策の観点からみた進研ゼミ中学受験講座
進研ゼミ中学受験講座の学習は以下の3つに分けられます。2.は省かず、3.のみ省くのがおすすめです。
- そのまま適性検査に活かせる勉強
・国語の読解
・算数の基本問題 - 適性検査の助けになる勉強
・4教科すべてにおいて、用語やできごとの流れなどを理解、解き方を理解する。 - 省くことが可能な勉強
・繰り返し暗記練習し、どんな問題にも瞬時に対応できるように用語や解き方を思い出せるようにする訓練
子どもが苦手意識を持たず、できるだけ無理をせず、継続して学習することが何よりも大切です。
負担が大きいのであれば、いきなり減らさず、少しずつ減らして様子を見ましょう。調整が難しいですが、少し頑張ってやり遂げられる、くらいが理想ですね。
教科別・進研ゼミ中学受験講座の進め方
科目別に少し追記しておきます。
国語
適性検査でも長文は出題されるので、たくさんの初めての文章に触れ、筆者の言いたいことを読みとる力を育んでくれたこの講座は大変役に立ったと感じています。したがって、全ての読解問題に取り組むことには非常に意義があると思います。
ただし、国語の読解問題の中でも、
- 選択肢の微妙な表現の違いを見つけて正誤を判断しなければいけない選択肢問題
- 長文からピンポイントで○○字ぴったりの語句や文を探し出さなければいけない問題
- 空欄になっている接続詞を埋める問題
など、適性検査では出ない問題形式も多いです。これらの問題の中で、子どもが苦手意識を感じるものがあれば、答え方を変えても良いと思います。
- 選択肢問題→自分で記述してOK
- 探し出す問題→○○字ぴったりでなくてもOKとする
- 接続詞埋め問題→前後の文の要約をするだけでOK
といった具合に変更した方が解きやすいなら変更しましょう。
息子は探し出す問題が苦手で、なかなか探し出せずにイライラしていました。適性検査でも近年探し出して答える小問は多いですが、文字数はぴったりでなくても良いので、こんな内容、と言えればOKとしました。
保護者の方が一度適性検査の国語の過去問に目を通し、出題の形式を確認しておくと安心です。
また、詩や短歌、漢字、ことわざ、故事成語、対義語などの言葉の問題、文法用語の問題は直接出題されることはありません。
けれども知っていれば表現の幅が広がり、作文力も上がるので、飛ばさずに取り組み、深追いはしないくらいが良いかと思います。
算数
講座では毎月教科書「授業テキスト」と問題集「演習ワーク」の2冊が届くのですが、小学校5年生からは「演習ワーク」についてはスタンダードとハイレベルの2つのレベルから選択して受講することになっています。
我が家では息子の意向を聞いて、ハイレベルを選択したのですが、今から振り返るとこの選択は良い選択だったのかと疑問が残ります。
ハイレベルでは応用問題が多く、6年生になると毎月3,4問は自力では解けませんでした。おそらく私立難関校も受験できる程度のレベルの問題なので、解けないのも仕方ないのですが、これが親子ともにストレスになっていました。特に6年時には適性検査用の勉強も併行して行っていたため、負担は大きく感じました。
思考力を培うためには良かったと思いますが少し負担は大きかったので、スタンダードにしておけばよかったかもしれません。スタンダードでも応用問題がなくなることはないので、スタンダードを選択しても適性検査対策としては問題はないと思います。スタンダードでは物足りないと感じたときにレベルアップする方が良いかもしれません。
社会
暗記は免除されているので、学習すべきは物事の因果関係をつかみ、大きな流れを読みとること、データから情報を読みとることです。年表、地図、表、グラフに注目しましょう。
年表からは、例えば、高度経済成長(大量生産)→公害の発生→公害対策基本法の設定など、因果関係から出来事の流れが読みとれます。
また地図からは、市街地なのか、山地なのかであるとか、川沿いに風車があるから風がよく吹く地形だろう、など、その土地の特徴を想像できます。地形の特徴によって起こりやすい天候や、それに合わせた防災の取り組みや産業の発達など、地形が原因になっていることは多くあります。
そのような情報を読みとることが重要です。
また、社会で用いられるグラフは種類も多様なので、グラフを見る練習にはとても適しています。
私立受験用の勉強では、どの国が何位か、精密機械の生産量が多いとこの工業地帯と見る…など、グラフの細かい情報を暗記することに重心がありますが、適性検査の対策としては、「このグラフが一番伝えたい情報は何なのか」に注目しましょう。線グラフは経年変化が見やすい、量を比べたいなら棒グラフ、全体に対する割合が見やすいのは円グラフといったことに注目します。何を伝えたくて作成されたグラフなのかをできれば自分がグラフを作るつもりで考えてみると良いです。
棒グラフ、帯グラフ、円グラフ、線グラフだけでなく、雨温図や、地図上に数字が入ったものなど、さまざまな表やグラフから、伝えたい情報は何なのかをしっかり受け取る練習をしましょう。
理科
月の満ち欠け、電気回路、滑車など、難しく感じる子(保護者にとっても…)も多い分野もあります。
適性検査では、細かい計算が必要な月の形の問題や、見たこともない回路について抵抗などの複雑な計算をして豆電球の明るさを比べる問題などは出題されません。
ですが、「菜の花や月は東に日は西に」の月はどんな形だったか、電流を2倍流すために並列に乾電池を並べる、など基本的な考え方を用いる問題は適性検査でも出題されています。中学に入って理科はどんどん難しくなるので、この機会に勉強しておくのも良い経験となります。
お子さんに説明するのが難しい分野についてはYouTubeの解説動画などもおすすめです。とても上手に解説してくれているので、私も頼りにしていました。
適性検査対策としては、実験、グラフに注目しましょう。適性検査では実験が多く出題されます。実験結果からどのようなことが分かるのかを考察する問題、知りたいことを明らかにするためにはどのような実験をすればよいのかと自分で実験を組み立てる問題です。
講座に載っている教科書的な実験と内容が適性検査の実験とまるごと重なることはありませんが、どのような器具を使って蒸発させるか、グラフから何が読みとれるか、など、王道の実験から学ぶことは多くあります。グラフを作成する問題も出題されるので、自分で書くつもりでグラフと向きあうとよいです。器具の使い方、グラフの見方に注目しながら学習しましょう。
まとめ
以上、適性検査対策として私立受験用の勉強をする場合の具体的な勉強法についてお話ししてきました。
私としては、科学や社会の様々な原理を無理のない程度に小学生の時点で学べる、というのが塾なしで中学受験講座を学ぶ1つの大きなメリットではないかと思っています。
勉強している中で、例えば歴史が好きなら歴史だけ暗記する、ことわざが好きならことわざだけは覚えるなどの学習も可能です。
お子さんの興味が広がり、無理なく、楽しく、考える習慣ができれば何よりです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。少しでも塾なしで都立中高一貫校の受検を考えている方のお役に立てたら嬉しいです。
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